ライアン・ゴズリング
2013年3月21日 映画 コメント (3)『ラブ・アゲイン』
冴えない中年男が妻に突然離婚を宣言され、傷心の最中に一人の遊び人と出会う。彼にプロデュース?され、どんどん変化していく男だったが・・・・ってな話。
冴えない男がどんどん洗練され、ダンディになっていく様が小気味よいテンポで語られるのが痛快。そして、主人公の周辺にいる人物たちの恋愛模様もまたおもしろいし、ちゃんとみんな繋がりがあるのがよい。
にしても、ライアン・ゴズリングは不思議な俳優である。
『ラースとその彼女』ではダッチワイフを愛してる不気味な青年をギークっぽく演じてたかと思えば、出世作『ドライヴ』では超クールなドライバーに扮していた。静止画ではそこまで取り立ててかっこいい人ではないのだろうが、映画の中では抜群に輝いているときがある。本作でも、モテ男の典型みたいに描かれてるのも納得である。そして、これぞ俳優たる所以なのかもしれない。自分の中の数ある魅力を必要に応じて引き出す力。
次回作の『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』も期待。
これは、親の犯した罪がその子に引き継がれるみたいな古典的要素をもった物語。宿命をテーマに、三つの物語がひとつに収斂していくように語られるクライムドラマ。
ここで彼の名作をいくつか。予告リンクと共に。
『ドライヴ』
最近『プッシャー』トリロジー、『ブロンソン』『ヴァルハラ・ライジング』と次々と過去作がレンタル化されてるニコラス・ウィンディング・レフン監督によるクライムドラマ。その名の通り、凄腕のドライバーの表裏の顔を描く。
セリフを極力排し、徹底した画作りと音楽の融合で物語を構成していくという初期の頃からの作風がひとつの完成形となった作品。静謐なる映像世界を歪ませるバイオレンスでもって見事ドライバーの狂気を映し出した。
http://www.youtube.com/watch?v=kc2D68QsAnQ
『ブルー・ヴァレンタイン』
結婚後10年近くいる夫婦の恋愛変遷を過去と現在の映像を交えて描く。時間経過と共に薄れる記憶とは反比例し、すれ違う感情が次第に色濃く鮮烈に浮かび上がる構成が見事。いささか現実的すぎて悲しい物語。
http://www.youtube.com/watch?v=StXPy6HtDnc
『16歳の合衆国』
16歳の少年が、恋人の弟を殺すという事件が発生。その理由とは・・・。多発する少年犯罪を背景に、事件の裏にある少年の複雑な心境や闇を暴きながら、同時に周りの人間たちが抱える問題や闇をも浮かび上がらせる。新鋭監督ならではの瑞々しさ溢れる作品。
『ステイ』
自己破壊願望のある青年を救おうと奔走する医師が迷い込む超現実の世界。一応どんでん返しものとも取れるが、そのオチが読めたところでそんなに作品の質に影響するわけでもない気がする。そして、似たエンディングないし、物語を合理的に見ない人のみがオチに冒頭から気づくことができると思う。最後まで見て、最初から気づいていた気にさせる構成はモンタージュ理論の極致に到達している。この辺が、似たオチでがっかりした人々を納得させた所以だろう。
とにもかくにも構成が見事というほかないが、それがわかるのは2度目に観たときだと思う。初回では、突然挿入される映像の多くが、ただのフラグメントでありイミフである。そして、よくわからないあまり退屈に感じる可能性がある。それはリンチの作品に似た感覚だが、同じように身を任せればよい。リンチの作品と違うところは、ちゃんと合理的な帰結があるところだ。そして、ひどく悲しい結末に関わらずある種のすがすがしさが感じられるのもポイント。エンドロールにも工夫がしてあったりと細かな見どころが多い秀作。
http://www.youtube.com/watch?v=KIk5rfA5uWE
冴えない中年男が妻に突然離婚を宣言され、傷心の最中に一人の遊び人と出会う。彼にプロデュース?され、どんどん変化していく男だったが・・・・ってな話。
冴えない男がどんどん洗練され、ダンディになっていく様が小気味よいテンポで語られるのが痛快。そして、主人公の周辺にいる人物たちの恋愛模様もまたおもしろいし、ちゃんとみんな繋がりがあるのがよい。
にしても、ライアン・ゴズリングは不思議な俳優である。
『ラースとその彼女』ではダッチワイフを愛してる不気味な青年をギークっぽく演じてたかと思えば、出世作『ドライヴ』では超クールなドライバーに扮していた。静止画ではそこまで取り立ててかっこいい人ではないのだろうが、映画の中では抜群に輝いているときがある。本作でも、モテ男の典型みたいに描かれてるのも納得である。そして、これぞ俳優たる所以なのかもしれない。自分の中の数ある魅力を必要に応じて引き出す力。
次回作の『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』も期待。
これは、親の犯した罪がその子に引き継がれるみたいな古典的要素をもった物語。宿命をテーマに、三つの物語がひとつに収斂していくように語られるクライムドラマ。
ここで彼の名作をいくつか。予告リンクと共に。
『ドライヴ』
最近『プッシャー』トリロジー、『ブロンソン』『ヴァルハラ・ライジング』と次々と過去作がレンタル化されてるニコラス・ウィンディング・レフン監督によるクライムドラマ。その名の通り、凄腕のドライバーの表裏の顔を描く。
セリフを極力排し、徹底した画作りと音楽の融合で物語を構成していくという初期の頃からの作風がひとつの完成形となった作品。静謐なる映像世界を歪ませるバイオレンスでもって見事ドライバーの狂気を映し出した。
http://www.youtube.com/watch?v=kc2D68QsAnQ
『ブルー・ヴァレンタイン』
結婚後10年近くいる夫婦の恋愛変遷を過去と現在の映像を交えて描く。時間経過と共に薄れる記憶とは反比例し、すれ違う感情が次第に色濃く鮮烈に浮かび上がる構成が見事。いささか現実的すぎて悲しい物語。
http://www.youtube.com/watch?v=StXPy6HtDnc
『16歳の合衆国』
16歳の少年が、恋人の弟を殺すという事件が発生。その理由とは・・・。多発する少年犯罪を背景に、事件の裏にある少年の複雑な心境や闇を暴きながら、同時に周りの人間たちが抱える問題や闇をも浮かび上がらせる。新鋭監督ならではの瑞々しさ溢れる作品。
『ステイ』
自己破壊願望のある青年を救おうと奔走する医師が迷い込む超現実の世界。一応どんでん返しものとも取れるが、そのオチが読めたところでそんなに作品の質に影響するわけでもない気がする。そして、似たエンディングないし、物語を合理的に見ない人のみがオチに冒頭から気づくことができると思う。最後まで見て、最初から気づいていた気にさせる構成はモンタージュ理論の極致に到達している。この辺が、似たオチでがっかりした人々を納得させた所以だろう。
とにもかくにも構成が見事というほかないが、それがわかるのは2度目に観たときだと思う。初回では、突然挿入される映像の多くが、ただのフラグメントでありイミフである。そして、よくわからないあまり退屈に感じる可能性がある。それはリンチの作品に似た感覚だが、同じように身を任せればよい。リンチの作品と違うところは、ちゃんと合理的な帰結があるところだ。そして、ひどく悲しい結末に関わらずある種のすがすがしさが感じられるのもポイント。エンドロールにも工夫がしてあったりと細かな見どころが多い秀作。
http://www.youtube.com/watch?v=KIk5rfA5uWE
コメント
ステイもいいなー。
見たい映画は増えるけど、廣木のペースが早すぎて追いつけねえwww
各国で絶賛された『ドライヴ』もかなりオススメだよ。スーパークール。カッコイイという言葉がこんなに似合う映画もそうない気がする。すべてのムダをそぎ落としたクライムドラマの傑作だ。
『ステイ』はストーリー構成について書いたけど、映像もかなりきれいで視覚的な見所も多いと思うよ。そして、これの監督マーク・フォスターさんは色々なタイプの作品を撮ることのできる多才な人物。今年はブラッド・ピット主演のディストーピア作品『ワールド・ウォーZ』って大作が公開される。過去作の『主人公は僕だった』って作品では、主人公の男性が自分の人生がある女性作家によって書かれたものだったっていう変なコメディとってるんだけど、それも映像的にも遊びがあって面白いよ。あとは『ネバーランド』『マシンガン・プリーチャー』がおすすめ