『ウルフクリーク2(仮)』
2013年10月24日 映画『ウルフクリーク』は数あるホラーの中でもお気に入りの作品。しかし、アメリカにいたときに観てから、日本に帰ってきたらビデオスルーされていた。非常に悲しい。
この作品がリリースされたのと同じ時期、アメリカでは『サイレントヒル』や『ディセント』『ホステル』『テキサスチェーンソーマサカー:ザ・ビギニング』《アフターダークフィルムフェスタ》の作品群などのゴア描写に重きを置いた作品が大流行だった中かなり異色の作品だった。
それでよく覚えているのかもしれないが、なんとなく初めてだった国外での生活での疎外感やホームシック感覚ともあいまって思いで深い作品である。
すばらしく単純なストーリーラインだけど、妙な緊張感にずっと苛まれる演出力は目を見張るものがある。ゴア系の作品や音響ドッキリ系の作品に食傷気味になっているホラーファンのためなのか淡々とした演出も、どこか異化作用を生み出していたように思う。独特の疎外感はそうした、一貫してやや引いた姿勢からの映像が生み出すのだろう。冷徹に何かの実験を見守る研究者のような立場に観客を追いやるのである。
また、その独特なランドスケープを持つオーストラリアというロケ地も雰囲気を出すのに一役買っている。
オーストラリアには約40%ものアネクメーネがあり、半分ほどしか居住域が無いらしい。そのせいか、失踪する人が多く、その失踪者も死体など証拠が残ることはすくないようだ。
そんなテロップと共に映し出され、荒野でその日の出来事を思い返し、絶望する後半部もホラー映画っぽくなくてよい。
しかし、どうだろうこの正当な続編はそんな持ち味を全て消し去ってしまっているではないか。
というか、もはやカーチェイス主体なんじゃねーのばりにチェイスしている。実際みないとなんともいえないが、不安しか残らぬ予告編に肩を落としてしまった・・・・・・・。
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