無題

2014年11月25日 映画
彼は『フォロウィング』から『インセプション』にいたるまで、常にジャンル内の映画を革新的に描き、重層的で複雑な構造の物語を好んで撮ってきた。

しかし、彼が新作で挑んだのは、映像詩であり、限りなくシンプルでドラマチックな作品だった。
SF的なギミックはでてくるものの、予告をみた時点でこのエンディング以外ありえないのは多くの人がわかっていただろう。
しかし、そんなありきたりな物語でも、そして"sci-fi"の"fi"の部分では、ともすればトンデモな(私にとってはということだが)展開を用意しながらも、それをねじ伏せる映像の積み重ねをみせてくれた。また、撮影に関してもロケ撮影に拘り、宇宙船を建造させ、実際に浮かせ砂塵を起こして撮影を敢行。100キロ近い、"Articulated Machine"も作り上げた。それは、"神はディティールに宿る"と言うアルチザン同様の拘りであろう。
そんな言葉少なに語る名匠の作品には、過去にモンタージュ理論を確立させた巨匠が名画を前に放った言葉が似合うのではないか。
"理性が私を照らすのは、感動の後である。理性は感情を壊すのではなく、それを照らしてくれるのだ"
次回作では是非3Dも撮って欲しい。

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